共和党の米副大統領候補 J・D・バンス上院議員とは何者か? 反トランプから「伴走者」へ華麗なる転身
トランプ前大統領が敗北した20年の大統領選を「盗まれた」と繰り返し主張。トランプ前大統領への銃撃事件が発生した直後には自身のXで、敵対するバイデン陣営の選挙キャンペーンが事件につながったと強弁した。ウクライナ支援に反対するなど「米国第一」を掲げる点もトランプ前大統領と同じ。実際、米メディアでは「トランプの後継者」ともいわれている。
副大統領候補は黒人やヒスパニック系、女性からの得票を見据えた有力候補が並んだが、なぜバンス氏に落ち着いたのか。国際ジャーナリストの堀田佳男氏がこう言う。
「『ラストベルト』と呼ばれる中西部は白人労働者層が多く、大統領選の行方を左右する激戦州です。そこに出自を持ち、成りあがったバンス氏のサクセスストーリーはウケがいいに違いない。大統領が実務をこなせなくなった場合、後を継ぐのは副大統領です。トランプ氏が『自身に万が一があった場合』を考えてバンス氏を選んだ可能性もありますが、最大の理由はやはり激戦州の票固めでしょう。選挙に勝つための最善策としてバンス氏が適当だったのではないか。さらに、側近としての使いやすさ、イエスマンぶりも加味したと思います」