2位選手に優勝賞金 粗末な日本男女ツアーの根底にあるもの
国内男女ツアーは2019年もさまざまな問題点が浮上した。低迷を続ける男子ツアーには人気回復にどうしても越えなければならない壁がいくつかある。その問題点を検証してみた。
男子ツアーは今月9日に都内ホテルで表彰式が行われ、最優秀選手賞にはツアー2勝で昨年に続き2年連続賞金王となった今平周吾(27=写真右)が選ばれた。だが晴れやかな表彰を受けながら今平の表情はいまひとつ冴えない。
それも道理、彼が優勝したブリヂストンオープンは悪天候のため競技が半分の36ホールに短縮。ダンロップフェニックスは最終日が中止になって54ホールに短縮だった。今平は最後の詰めが甘いことで知られ、これまで多くの大会で、最終日に逆転されている。つまり、2つの優勝は短縮に助けられたもので、本人にすれば不完全燃焼。冴えない顔も当然である。
日本ツアーは悪天候などで簡単に試合を短縮する。今年その悪弊が浮き彫りになったのは、日本で初めて開催された米PGAツアーのZOZO選手権(千葉県・習志野CC)である。T・ウッズが米ツアー最多タイの82勝に並んだこの大会は、2日目が悪天候で中止。だがPGAツアーは、当たり前のように月曜日まで延長して72ホールを完遂した。ファンはその熱戦を心行くまで楽しんだ。その反動もあって短縮競技には大きな不満が続出している。