東京五輪関係者が気をもむ「延期とカネ」の結末と国民感情

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 冒頭の関係者がこう語る。

「想像はしたくありませんが、どうしても考えてしまいます。7日に安倍首相が緊急事態宣言を発令してまだ1週間ですが、全国のあちこちで医療崩壊が始まっているからです。感染拡大は止まらず、終息のメドはまったく立っていない。来年7月に五輪を開幕するために、この状況下において5000億円以上ともいわれている追加経費を払うことを国民は納得してくれるのか。批判の声が上がらず多額の経費をかけて開催の準備をしても、来春までに国内に終息宣言は出るのか。

 国内が収まっても、欧米やアフリカ諸国に多数の感染者が出ていれば五輪開催は厳しい。そうなれば、巨額の追加経費は結局、無駄になってしまう。お金だけではない。その流れで国民が五輪に対する嫌悪感を抱くようにならないか、それが一番心配なのです」

 米ジョンズ・ホプキンス大学によれば、日本時間の15日午前3時時点で新型コロナウイルス感染による全世界の死亡者は12万3000人を超えた。この数はどれだけ増え続けるのか。国民の多くは、五輪の準備にカネをかけている場合ではないと思っているはずだ。

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