23年W杯招致に照準 女子サッカー.WEリーグの狙いと課題
なでしこジャパンの前監督で女子のプロリーグ「.WEリーグ」の設立準備室長の佐々木則夫氏は6月7日、2021年にスタートする.WEリーグの初代チェアパーソンに「女性で能力のある方にやってもらう」と話し、女性を登用する考えを示した。
9月に開幕して翌2022年1~2月の中断時期を挟んで春にシーズンを終える「秋~春制」を採用する.WEリーグ。当初は6~10クラブでスタートし、数年は降格を実施しないでチーム数を増やしていく計画でいる。現在20以上の団体が興味を示し、仮申請は数10チームあるという。新リーグでは15人以上のプロ契約選手が必要。将来的には監督も女性を条件にする可能性もあるそうだ。
このプロリーグ構想の狙いは2点と予想される。まずは女子サッカーのレベル向上だ。なでしこジャパンは2011年のドイツW杯で優勝し、2012年ロンドン五輪では銀メダル。そして15年のカナダW杯は準優勝だった。しかし翌16年のリオ五輪はアジア予選で敗退。さらに19年フランスW杯ではベスト16に終わった。
澤穂希という女子サッカー史上最高の選手が引退して世代交代に苦しんだことも苦戦の一因ではあるが、諸外国の中で特に欧州勢がプロリーグを創設して強化に取り組んだ結果、なでしこジャパンのストロングポイントである「ポゼッションサッカー」が、なかなか通じなくなったことも大きい。