元なでしこ永里優季“男子チーム”にレンタル移籍 2つの効果
2011年女子W杯の世界女王なでしこジャパンの主軸ストライカーで米国女子リーグ(NWSL)のシカゴ・レッドスターズ所属のFW永里優季(33)のレンタル移籍先を聞かされ、仰天したサッカー関係者は少なくなかった。神奈川県厚木市を本拠とする「はやぶさイレブン」。県リーグ2部の男子チームだったからビックリだ。
プロとして日本サッカー協会(JFA)に登録された女子選手が、第1種(一般・大学)のカテゴリーのチームに登録されるのは初めて。
世界的にも前代未聞とあって、欧州サッカー連盟の女子CL公式ツイッターも「歴史的な移籍劇」と伝えている。
「コロナ禍でNWSLが休止となり、NWSLチャレンジ杯が代替開催されたが、短期間のカップ戦なので消化試合数が限られ、多くのNWSL所属選手が欧州などのチームにレンタル移籍している。永里の場合も出場機会を求めての移籍といえる」(サッカー関係者)
もうひとつ<客寄せパンダ>としての役割だ。移籍先の「はやぶさイレブン」はJリーグ参入を目標としているクラブであり、現在はJ1・J2・J3・JFL・関東1部・関東2部・神奈川県1部の下の<県2部=J8>に所属している。 J入りは長くて遠くて険しい道のりと言うしかないが、話題性のある選手を引き入れてスポンサー獲得などに弾みをつけるという意味では世界女王・永里の移籍は願ったり、かなったりである。
同クラブには永里の実兄で元Jリーガーの永里源気(34)が所属。8月には、同クラブのフットゴルフチームに実妹で元なでしこFWの永里亜紗乃(31)が加入している。
なかなか興味深いチャレンジである――。