自民党から森会長“擁護論” さらなる批判噴出で火に油

公開日: 更新日:

 女性蔑視発言をした東京五輪組織委員会・森会長への批判が止まらない。国内外から「森ヤメロ」の声が噴出している。自民党から「森擁護」が持ち上がり、さらなる批判を招いているありさまだ。

 ◇  ◇  ◇

「余人をもって代えがたい」――。こう言って森会長の続投を支持したのは、自民党・世耕弘成参院幹事長だ。「(問題は)ここで収めて、五輪開催に向けて準備に邁進することが重要」と擁護してみせた。7日の毎日新聞によると、森会長の元には、自民党・遠藤利明元五輪相から〈加藤勝信官房長官や小池百合子東京都知事が心配している〉と報告があり、たくさんの国会議員が「いま辞めてどうする」と激励しているという。

 自民党挙げて“森続投”の流れをつくろうとしている状態なのだ。

 4日の衆院予算委員会では、立憲民主党菊田真紀子議員が「森発言」を追及。菅首相に森会長の更迭も要求していたが、自民党議員からの追及は、一切なし。自民党で、森会長批判をしているのは後藤田正純衆院議員や稲田朋美衆院議員、泉田裕彦衆院議員くらいのもの。常々、「女性の政治参加」を訴える野田聖子幹事長代行や、五輪大会を所管する橋本聖子五輪相もダンマリである。

 さすがに自民党議員の「森擁護」や「無批判」には、ツイッターで批判が続出。世耕の「余人をもって代えがたい」発言に対しては、〈茶坊主らしい擁護〉〈こんなズレまくりな絶賛で擁護する自民党…というより、世耕という人間が心底、薄気味悪い〉といった批判の声が上がっている。

 自民党関係者はこう言う。

「かつて、自民党の清和会を率いて首相まで経験した森会長の面倒見のよさは、永田町で有名です。多くの自民党議員が『森さんには世話になった』と思っている。要するに、森会長と『貸し借り』の関係が出来上がっているわけです。だから、“身内”である自民党議員の多くは、余計なことは言わないというわけです」

“サル山”のボスに何も言えず

 しかし、森会長の発言には、駐日欧州連合代表部やドイツ、フィンランドの大使館などが“抗議ツイート”を連投。森を名指しこそしていないが、手を挙げる女性たちの写真に、「#男女平等」「#dontbesilent(黙ってはいけない)」とハッシュタグを付けてツイートしている。自民党の“森会長擁護”は、国際世論と大きくかけ離れてしまっている。

「今回の森会長の発言は性差別そのものです。擁護できる点はありません。政権与党である自民党議員も強く批判すべきですが、そういった声はほとんど聞こえてこない。結局、長年“サル山”の頂点にいた森会長の下で政治的利益にあずかってきた自民党議員は、批判できないのでしょう。でも、“サル山”の理論は、国民には全く関係のない話です。世界中から批判が上がっている今の状況を全く理解できていないのでしょう」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

 官邸に近いと指摘された黒川弘務・元東京高検検事長の定年延長問題が噴出した際も、安倍前首相は「(黒川氏は)余人をもって代えがたい」と擁護。その後、黒川氏の賭けマージャンが発覚し、世論の猛批判を招いた。自民党は、いつまで森会長をかばい続けるのか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    「羽生結弦は僕のアイドル」…フィギュア鍵山優真の難敵・カザフの新星の意外な素顔

  2. 2

    日本のアスリートと「向学心」に雲泥の差…《エリート選手に勉強不要》は世界の常識からズレている

  3. 3

    私は何度でも嫌われ役を演じる覚悟です。エキスポ駅伝の開催前に「吠えた」理由を話します

  4. 4

    羽生結弦「30歳の挑戦」…プロ転向から2年半「毎回五輪での記録を更新する気持ちでやっています」【独占インタビュー】

  5. 5

    男子フィギュア「表現力とスケーティング」の鍵山優真が「4回転の神」マリニンを凌駕する条件

  1. 6

    貴ノ浪が43歳で急逝 横綱・大関は「寿命が短い」本当の理由

  2. 7

    宇野昌磨にはハイレベルすぎる「羽生結弦のモデルケース」…アイスショープロデュースを発表も

  3. 8

    世界陸上が終わってからが正念場…国立競技場は民営化で「稼げるスタジアム」に変貌できるのか

  4. 9

    JOC山下泰裕会長の療養離脱からはや1年…三屋裕子代行でも“無問題の大問題”

  5. 10

    【箱根駅伝】国学院大「初優勝で3冠」なるか…阻むのは経験値高い青学大か、それとも駒大か? 元早大監督が読む

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  3. 3

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  4. 4

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  5. 5

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  1. 6

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  2. 7

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

  3. 8

    女優・佐久間良子さんは86歳でも「病気ひとつないわ」 気晴らしはママ友5人と月1回の麻雀

  4. 9

    カンニング竹山がフジテレビ関与の疑惑を否定も…落語家・立川雲水が「後輩が女を20人集めて…」と暴露

  5. 10

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場