都の感染対策の実情 11万人のボランティアにも感染リスク
東京オリンピック・パラリンピック大会のおざなりな新型コロナウイルス感染対策は、訪日外国人や選手、スタッフ向けだけではない。ボランティアもまたリスクにさらされる。
ボランティアは約11万人。内訳は組織委員会が募集した大会ボランティア約8万人、東京都が募集した都市ボランティア約3万人だ。このボランティアの感染対策で最大の欠陥は、外部との接触を断つ「バブル」が全くないことだ。
米プロバスケットボール(NBA)や全豪オープンテニスなどで採用された「バブル」は、検査で陰性の選手や審判らを1カ所に完全隔離し、感染を防ぐ仕組み。
国際オリンピック委員会(IOC)や組織委は、選手やスタッフを選手村に集め、不必要な外出を制限することで、感染対策と主張している。だが、毎日のPCR検査もないため、選手村は「バブル」もどきに過ぎない。
だが、ボランティアはそれすらない。そもそも宿泊場所を自前で用意するため1カ所に泊まって外部から隔離するという概念が存在しないのだ。