日本の対策は抜け穴だらけ…訪日外国人がもたらす感染爆発
新型コロナウイルスの感染拡大で延期された東京オリンピック・パラリンピック大会。世界で感染が収束しないまま、政府と組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)は開催姿勢を崩さない。感染防止を軸とした対策が不十分なままのオリンピック開催が、日本にもたらすリスクを検証する。
「4月の終わりが適切な時期だと思う」
IOCのデュビ五輪統括部長は2月24日、東京大会の観客受け入れの判断を先送りした。コロナ収束に賭け、内外の観客を東京大会に呼び込みたい意図が透ける。
国家主権の担い手として、感染症から国民を守ることを優先すべき日本政府も、オリンピックを観戦する訪日外国人入国に拘泥している。その感染対策は抜け穴だらけで、オリンピック終了後に感染爆発を招く最大のリスクとなっている。
政府は昨年12月、オリンピックを観戦する訪日外国人に対し、入国時の2週間待機を免除し、公共交通機関利用を認める考えを明らかにした。海外からの新型コロナ変異株流入を防ぐため、世界のほとんどの国は、外国人の入国後2週間待機を求めている。世界保健機関(WHO)は新型コロナの潜伏期間を最大14日間と定めているためだ。