オリ25年ぶりVは「“脱”宮内氏・フロント改革」の賜物…前回優勝時の球団代表、井箟重慶氏が看破!
「野球をよく知る福良のGM就任が大きかったと思いますね」
こう言うのは井箟重慶氏。オリックスが前回リーグ優勝、日本一にもなった1996年当時の球団代表だ。その井箟氏が27日、25年ぶりのリーグ優勝を決めたチームに関して、福良淳一GM(61)の手腕が大きいと言うのだ。
功を奏した福良GMの「脱・宮内オーナー」
福良GMは前身の阪急出身。現役引退後はオリックスコーチ、スカウト、日本ハムコーチ、二軍監督などを経験した実績がある。
「オリックスのフロントはそれまで素人同然、宮内オーナーの顔色ばかり見ていた。オーナーは自分で野球チームをつくってピッチャーをやっていたほどの野球好き。とにかく、負けることに我慢ならない。わたしが代表だった当時も、不甲斐ない試合をした翌朝は、自宅に怒りの電話をかけてきたほどです。監督の選手起用や戦術を批判、あんな監督じゃいかんくらいのことは言ってきてたかもしれません。けど、どれだけ野球が好きであっても、しょせんは野球のシロウト。フロントがオーナーの言うことを真に受けていたら、チームはガタガタになってしまう。福良がGMになるまでのフロントは、まさにオーナーの方ばかり向いて球団を動かしていたと聞きました」
30億円補強の失敗を経て、ドラフトと育成に舵切り
親会社が成長したこともあったのだろう。カネで優勝を買おうとした時期もあったが、うまくいかなかった。
リーグ2位になった2014年オフ、オリックスはFAを取得した金子(現日本ハム)を「4年20億円」で引き留め、「3年最大12億円」で中島(現巨人)、「3年3億円」で小谷野(現オリックス二軍野手総合コーチ)を獲得。総額「30億円補強」と話題を呼んだものの、翌15年は5位に沈んだ。
福良GMは19年5月に就任すると、それまで補強頼みだったチーム方針を百八十度転換、「ドラフトと育成」に舵を切った。今季、左腕エースとして13勝をマークした宮城大弥(20)、2ケタ本塁打で遊撃のレギュラーに定着した紅林弘太郎(19)は、いずれも福良GMになってから獲得した高卒2年目の選手。今季18勝でエースの山本由伸(23)にしても高卒5年目、生え抜きの若手が主力に成長したことが好結果につながった。
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