ソフトバンク千賀滉大のメジャー挑戦に暗雲が垂れ込めた根拠

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 肘の靱帯を激しく痛めたり、部分的に断裂したりすれば、靱帯を再建するトミー・ジョン手術が必要になる。最大の原因は、かつてフォークボールといわれていたが、球速が増した昨今は速球が何よりの要因らしい。千賀はその両方、160キロの速球とキレのよいフォークボールが持ち味だ。

■滑り止めの使用禁止

 メジャー公式球は、日本のプロ野球の統一球と比べて滑りやすい。ただでさえ渡米した日本人投手はボールの扱いに苦慮して肩肘を痛めやすいところにもってきて、メジャーは昨年から投手がロジン以外の滑り止めを使うことを厳しく禁じた。日本人投手が肘を痛める可能性はより増えた。

 千賀は故障の多い投手だ。これまで右肩、右前腕、背中、左脇腹、両足ふくらはぎ、左足首靱帯を痛めている。そして今回は右肘だ。

 これまでも指摘しているように、メジャーでは日本のプロ野球界で防御率が2点以下の投手でなければ厳しい。昨年までの防御率が2点台だった千賀は、ここまで1.74と気を吐いている。ストレートは速いし、落差のあるフォークは大きな武器になる。肩肘への負担を考慮してか、今年からシンカーも使うようになった。けれども、この時期に右肘を痛めたのはメジャーに挑戦するうえで大きなマイナス材料と言わざるを得ない。

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