第4回WBCを辞退…あの時の大谷翔平のなんとも言えぬ表情が忘れられない
「出たい気持ちはもちろんある」
エンゼルスの大谷翔平が、来年3月に開催される第5回WBCへの出場に意欲を示した。すでに球団とは話し合っているそうで、「(日本代表に選出された場合)快く引き受けてくれるんじゃないか」との見通しも語った。
今でも、あの時の大谷のなんとも言えない表情が私の脳裏に焼き付いている。2017年の第4回WBC。日本代表の投手コーチを仰せつかった私も、小久保裕紀監督も当然、大谷を侍ジャパンの中心メンバーのひとりに考えていた。日本ハムに入団して5年目を迎えるシーズン。前年は投手として10勝、打者として22本塁打を放つなど、二刀流として確かな実績を残していた。
しかし、大会1カ月前の2月に辞退を発表。理由は前年から痛めていた右足首の故障だった。2週間後、日本ハムのキャンプ地・沖縄の名護に出向くと、私の顔を見るや、「今回は本当にすいませんでした」と頭を下げてきた。悔しそうな、悲しそうな、申し訳なさそうな表情だった。
■メモに走り書きした<人間万事塞翁が馬>