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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・藤浪がいつのまにか失ったもの…もはや「甲子園のスター」ではなくなったのか

公開日: 更新日:

■大山はコロナ離脱…

 藤浪はいつからこんなに「もっていない投手」になったのか。今から9年前、怪物ルーキーと騒がれていたころは大阪桐蔭高のエースとして甲子園春夏連覇の実績を引っ提げ、まさに甲子園の申し子のようなオーラを全身から放っていた。当時の藤浪は華もスター性も勝ち運もすべて「もっている投手」だった。

 高卒1年目から3年連続2桁勝利を挙げたものの、2016年以降は成績が著しく下降し、復活の兆しが見えないまま今季ついに10年目を迎えた。28歳となった藤浪は今も変わらず160キロ超の驚異的な剛速球を投げるし、制球難はともかく、その能力自体は衰えたようには見えない。

 しかし、いつのまにか藤浪は星を失ってしまったのかもしれない。藤浪はもう、甲子園のスターではなくなったのかもしれない。この勝ち運のなさは、藤浪を見続けてきたファンとして地味にショックだったりする。

 また、そういう「もっていない」という点でいえば、大山悠輔もしかりだ。7月にコロナの濃厚接触者となって戦線離脱したかと思えば、先日は無症状陽性者となって2度目のコロナ離脱。せっかく今季は念願のシーズン30本塁打に向けて順調にアーチを積み重ねていたのに、出場試合数が減ることで未達となったら本当に悔やまれる。

 思えば20年の大山もコロナによって120試合制に減った影響を大きく受け、28本塁打にとどまった。今季も似たような轍を踏むことになったら本当にもっていない。

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