著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

新谷仁美のMGCボイコット宣言は至極まっとう 選手を国内に縛り付ける陸連の愚

公開日: 更新日:

 2月9日、日本陸連は今年10月のMGCファイナルのコースを発表した。MGCは男女の五輪代表決定戦で、陸連が主催大会を予選に紐づけしてシリーズ化している。

 代表選考が揉める故の“一発選考”という根拠は脆弱で、瀬古利彦の救済をめぐる1988年のソウル以外ほとんど揉めていない。女子が揉めるのは、歴史が浅く代表権が国内の競技生活に直結しているため。スター不在のいまは揉めようもない。

 日本のマラソンはエリートによって築かれてきた。MGCはその伝統を継承する体裁を取りつつ、上から目線の権威付けで国内の吸引力を高め、選手の世界挑戦をはぐらかしている。案の定、否定する選手が現れた。

 新谷仁美は先月のヒューストン・マラソンで、野口みずきの日本記録に12秒差の2時間19分24秒をマークした。レース後、MGCは目指さない、オリンピックが目標ではないと断言、至極まっとうな考えだ。

■国内に縛り付ける愚

 そもそも夏季オリンピックの気象条件はマラソンの理想からほど遠い。黒い霧に包まれたオリンピックが絶対無比の目標たり得るのか(まして日本陸連からの出向者が渦中にいる)。ロシアの参加をめぐりボイコットの動きすらある。MGCファイナルの10月実施では世界選手権(8月半ば)代表は戦えないし、陸連は賞金も提示していない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」