見事だったWBC決勝での侍J継投策 吉井投手コーチは“一球入魂”の落とし穴を熟知していた
それにしても、見事な継投策だった。スター軍団の米国代表を下してのWBC制覇。先発の今永昇太から戸郷翔征、高橋宏斗、伊藤大海、大勢、ダルビッシュ有、大谷翔平とつないだリレーは、日本投手陣の質の高さを世界中に見せつけるような起用だった。
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そりゃまあ、あれだけの投手が揃っていれば、ベンチはラクだ……そんな意見もあるかもしれないが、まったく逆。レベルの高い投手が揃っているからこそ、誰を使うかが難しく、“もう1イニング”と交代機に逡巡したりするものだ。
そこを、栗山英樹監督と吉井理人投手コーチは一切、ためらわなかった。危なげなかった今永と戸郷を2イニングずつでスパッと代え、高橋から最後の大谷までは1イニングずつ。結果、相手の強力打線をソロ本塁打2本による2点のみに封じ込んだが、米国に勝つにはこれしかないという妙手だったと思う。