佐々木朗希は「25歳」まで4年も待てる? WBCで心身とも急成長“令和の怪物”が海を渡る日

公開日: 更新日:

 WBCで準決勝のメキシコ戦を含む2試合に先発した佐々木朗希(21=ロッテ)が、侍メンバーを驚かせた出来事がある。

 準決勝のメキシコ戦で、居並ぶメジャーリーガー相手に新球種のスライダーを投じ、見事に打ち取ったからだ。

 宮崎合宿初日、佐々木はダルビッシュ(パドレス)から大きく鋭く曲がるスライダーを伝授された。いわゆる「スイーパー」と呼ばれるもので、もともと投げていたスライダーとは握りも投げ方も全く別物。武器であるフォークと比べてスライダーは精度がイマイチだったこともあり、習得に励んだ。

■ダル直伝のスライダーを堂々と準決勝で投げ込みナイン驚愕

 その過程で直球がスライダー回転するなど苦慮したが、ダルや吉井投手コーチらと試行錯誤。日を重ねるごとに精度が向上した。ダルは「本当に凄いものを持っている」と絶賛するとともに、スライダーに関しても「横曲がりが大きく、アメリカでいう『スイーパー』になっていた」と目を細めた。ブルペンで球を受けた甲斐(ソフトバンク)も、「こんな凄いスライダーがあるんだと思った。曲がり方が一気にブレーキがかかる感じで、イメージしていたよりも凄く良かった」と驚嘆した。

 もともとのポテンシャルの高さもさることながら、成長も速く、手先も器用。他の投手も同様にダルから変化球を伝授されたが、短期間で試合で使えるレベルに持っていくのは至難の業。しかし佐々木はそれでも練習を重ね、臆することなく準決勝で投げた。球数は全64球中5球ほどだったが、ストライク率は100%。まだまだ向上の余地はあるが、投球の幅が広がったことは間違いない。

 ウエートトレなどによる肉体面の成長も著しい。開幕前の調整段階にもかかわらず、大会開幕前の壮行試合から160キロ超えの直球を投げ、準決勝では初回から164キロを連発した。昨季まで、肩ひじへの負担に考慮して全力投球は控えていたが、かなりの強度に耐えられる体になったとみていい。

 そんな21歳に、岩手の同郷の先輩・大谷(エンゼルス)も一目置いている。準決勝の試合前、米メディアから「次に注目すべき日本人選手を1人挙げると?」と質問されると、「今日の先発を見てもらえれば。本当に素晴らしい投手。注目するのは先発になると思う」と佐々木をプッシュした。メジャーのスカウトはもちろん、米メディアからも称賛の嵐。準決勝では先発マウンドに上がるや、米ツイッターで「sasaki」がトレンド入りした。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  2. 2

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か

  3. 3

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  4. 4

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  5. 5

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  3. 8

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  4. 9

    巨人のプロスペクトだった秋広優人放出の波紋…ファンからは非難噴出、古株スカウトも「余波」懸念

  5. 10

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 2

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  5. 5

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    乃木坂46では癒やし系…五百城茉央の魅力は、切れ味と温かさ共存していること

  3. 8

    初日から無傷の6連勝!伯桜鵬の実力を底上げした「宮城野部屋閉鎖」の恩恵

  4. 9

    新潟県十日町市の“限界集落”に移住したドイツ人建築デザイナーが起こした奇跡

  5. 10

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋