サッカー女子W杯のNHK中継決定を巡るドタバタ劇 後藤健生氏が問題提起「結果オーライで終わらせてはいけない」
ベスト8以上は期待できる
──なでしこジャパンは今回のW杯で上位に食い込めますか?
女子サッカーには、FIFA世界ランクの数字以上のレベル差があると思います。14日に世界ランク52位のパナマを被シュート0本に抑えて5-0で完勝しました。男子の日本代表の世界ランクは20位。たとえば52位のアイルランド、前後の51位のコートジボワールや53位のサウジアラビアと対戦したとしても、パナマ戦のような試合にはならないでしょう。男子以上にランキング上位と下位との実力差が大きい。
なでしこは77位のザンビアと36位のコスタリカと戦ってチーム状態を上向かせ、3戦目に6位のスペインと対戦する。試合日程に恵まれました。さらに言えば、決勝トーナメント1回戦の相手は1次リーグA組の1位か2位で、A組はノルウェー(12位)、スイス(20位)、ニュージーランド(26位)、フィリピン(46位)とランクが下の国ばかり。ベスト8以上の成績を期待できます。
(聞き手=絹見誠司/日刊ゲンダイ)
▽後藤健生(ごとう・たけお) 1952年、東京都生まれ。慶大大学院博士課程修了(国際政治)。国際サッカー歴史記録学会アジア地区代表委員。サッカー初観戦は64年の東京五輪。それ以来「テレビでUCLを見るよりも大学リーグを生観戦」をモットーに観戦試合は現在7129。74年西ドイツ大会から連続してW杯現地観戦。関西大客員教授。「ワールドカップの世紀」「世界サッカー紀行」「日本サッカー史 代表篇・資料編」など著書多数。「国立競技場の100年」で2013年度ミズノスポーツライター賞。