「高校生を指名するのが怖くなった」…プロ球団ベテランスカウトが漏らす苦悩と本音

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 スカウトは選手を獲得したら、それっきり――というわけではない。入団までの練習メニューを考えたり、入団直後のキャンプでも不便が無いようにサポートしたりする。例えば、昨秋のドラフト1位で日本ハムに入団した矢澤宏太(23)は日刊ゲンダイにこう語っていた。

「新人合同自主トレが始まる前から、担当スカウトさんと話し合って、今年は“知る1年”にすると決めていました」
 
 前出のスカウトはさらにこう言った。

「さながら親代わりです。入団から何年経っても、マメに連絡を入れる。新たに選手を獲得した際は、それ以前に自分が担当した選手たちに『コイツを気にかけてやってくれ』と頼んでいます。そして、彼らがクビになった時は真っ先に自分たちに連絡が来るのです。この瞬間が何よりもつらい」

 高卒選手はセカンドキャリアに難儀するケースが多い。ほとんど“野球漬け”だったといってもいい状態から一転し、社会に放り出されるからだ。

「選手が望むのであれば、就職先の口利きをすることもあります。ただ、もう自分も若くないし、景気も悪くなる一方です。担当した選手の面倒をいつまで見られるか分かりません。高校生の選手はプロの世界でやっていけそうかどうか、より慎重に見極めるようになりました」

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