“異例のドラフト”から3年…「2020年の大豊作」をスカウトが手放しで喜べないウラ事情
今季のプロ野球は阪神の18年ぶり6度目のリーグ優勝、38年ぶり2度目の日本一で幕を閉じた。
「チームの快進撃を支えたのは日本シリーズMVPの近本光司(28)はもちろんだが、2020年ドラフト組の選手たちの存在もデカい」(球界OB)
この年のドラフトでは佐藤輝明(24=1位)、伊藤将司(27=2位)、村上頌樹(25=5位)、中野拓夢(27=6位)、石井大智(26=8位)と、今季活躍したメンバーがずらりと名を連ねている。
2020年といえば、コロナ禍元年の年。度重なる緊急事態宣言により社会機能がマヒし、東京五輪をはじめとしたあらゆるスポーツイベントが軒並み延期・中止を余儀なくされた。アマチュア野球も例外ではなく、日本屈指のメガイベントである春のセンバツ、夏の甲子園が開催されなかったのは記憶に新しい。
パ球団のスカウトが当時をこう振り返る。
「当時は対外試合はおろか、部活動にも厳しい制限がかけられていました。こっそり対外試合を組んでいた強豪校もありましたが、世間のバッシングを避けるために我々のことも“出禁”にしていたくらいです。ほとんどチェックできないような選手もいて、スカウトにとっては困難を強いられたドラフトでした」