広岡達朗GMが「休日を召し上げ」バレンタイン監督は激怒した…95年、内紛勃発の内幕
1995年、ロッテで“内紛”が勃発した。
ボビー・バレンタイン監督1年目。4月を8勝14敗1分けの最下位発進となるや、一部のコーチが広岡達朗GMに「監督は、具体的な指示を出さないで自分で考えろと選手任せ。これではチームが弱体化する」と不満をぶつけたという。問題視した広岡GMも「このままでは暑い6月以降、夏場を乗り切れない」と試合に負けた翌日、ある行動に出た。
ボビーが予定通りに休日にすると、広岡GMが「試合に負けたのに休んでいる場合じゃない。練習するぞ」と全体練習を指示したのだ。
ボビーには「日本の夏は暑い。休養を十分に取らないと選手はバテてしまう。結果としてパフォーマンスを落とすことになる」という意図があったのだが、現場介入した広岡GMが懲罰的に練習をさせたことに「勝手なことをしないでくれ」と激怒。両者の溝は深まるばかりだった。
■越権行為に抗議した監督が練習をボイコット
米国人のボビーは「野球は楽しむもの」が口グセ。しかし、広岡GMにとって「野球は厳しくてつらいもの。それに耐え抜く力があるからこそ、君たちプロは多額の報酬やファンの称賛を得ることができる」が持論だった。両者の価値観は真っ向から対立。広岡GMがグラウンドで選手に指導することに怒ったボビーが、抗議の意味を込め、練習をボイコットすることもあった。