殺虫剤効かず…進化した「アタマジラミ」が米国の子供を襲う
アメリカは9月が新学年の始まり。真新しい服やバックパックで学校に通う子供の親たちが心配しているのが「スーパー・ライス」です。殺虫剤に対して耐性を持ち、これまでの駆除方法が効かないという「アタマジラミ」のことです。
アタマジラミは、シラミの中でも人間の頭髪にすむ寄生虫で、強いかゆみを伴い、かき過ぎると皮膚が炎症を起こすこともあります。髪を清潔にしていても頭が接触することでうつるため、特に幼稚園や小学校などで大発生することも少なくありません。CDCアメリカ疾病対策センターによれば、年間600万人から1200万人の子供たちがアタマジラミに感染しているとみられています。
マサチューセッツ大学とイリノイ大学の研究チームの発表によれば、このアタマジラミが進化したスーパー・ライスの存在が、調査したアメリカ30州のうち25州で確認されたとのこと。さらに、採取した109のサンプルのうち、104のサンプルがスーパー・ライスだったことがわかり、大きなニュースになりました。
このスーパー・ライスの最大の特色は、これまで最も効果的とされてきたピレスロイド系殺虫剤が効かないこと。ピレスロイド系殺虫剤は手軽に購入できる上、比較的安全性が高いとされていて、1990年代に紹介されて以来、子供たちのいる家庭に常備されてきました。