妊婦の約10%が該当 「妊娠糖尿病」の怖さと予防法を知る
■出産後に持病となるケースも
妊娠糖尿病と診断されたら、血糖をコントロールするための治療が行われる。
「食事の前後で血糖が急激にアップダウンするグルコーススパイクを抑えるための治療が基本になります。食事療法として『分食』を実施するケースが多い。食事による1日の摂取カロリーを4回もしくは6回に分けて取るもので、1回の食事で食べる量が減るので食後の血糖上昇を抑えることができるのです。空腹時血糖を100未満、食後は120未満にコントロールすることを目標にしますが、それでもコントロールできない場合は食事のたびにインスリンを打つ妊婦さんもいます」
予防するためには、母体の状態をしっかり把握しておくことが大切だ。
「妊娠・出産を考えている人は、前もってブドウ糖負荷試験を受けておくといいでしょう。もし自分が糖尿病予備群に該当していれば、自分は妊娠糖尿病になりやすいから注意しようという心構えができます。妊娠するとやたらとお腹がすいて食べてしまい太ってしまう人も多いのですが、妊娠糖尿病に対する意識があれば、食事に気を付けたり適度に体を動かしたりすることで肥満を抑えることもできます」
出産後も、血糖値には気を配る。妊娠中に高血糖状態だった人はそのまま糖尿病に移行するケースも少なくない。3カ月以内にブドウ糖負荷試験を受けて状態を確認し、食べ過ぎなど生活習慣に注意することが必要だ。母子ともにトラブルなく出産を終えるためにも覚えておきたい。