著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

苦いカボチャはハゲに? 成分の正体と危険性を知る

公開日: 更新日:

 細菌などによる食中毒は、原因となる食品を食べてから、2、3日後に症状が出ることが多いのですが、毒性のある成分による中毒は、食べてからすぐに症状が出ることもあります。

 今年の皮膚科の専門誌に「カボチャを食べてからすぐに食中毒のような症状が出現し、その後に脱毛が起こった」という、ビックリするような症例が報告されています。ある事例では、苦味のあるカボチャのスープを飲んでから1時間後に、激しい嘔吐と下痢が出現。それから1週間以上経って脱毛が始まり、数カ月後には改善していました。

 実はカボチャやキュウリなどのウリ科の植物の苦味の成分には、ククルビタシンという物質が含まれていて、それをたくさん食べると食中毒のような症状が起こり、その後に脱毛が起こるようなのです。ククルビタシンはステロイドの一種で、強い細胞毒性があるので、それが毛根に一時的な障害を与えるようです。野生のウリ科の植物にはククルビタシンが多く含まれているのですが、通常食用の野菜や果物では、品種改良によりそうした成分はほとんど含まれていないのです。ところが、虫の受粉などを介して形質が変化すると、ククルビタシンの多い野菜や果物が、混じってしまうこともあるようです。いつもは苦くないカボチャが苦い時には、危険と考えて食べない方が賢明です。

 ちなみにゴーヤーの苦味は別の成分なので心配はありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる