慢性心不全の息切れや呼吸困難 運動能力の低下に原因あり
ところが、薬の処方は日本では熱心に行われているが、適切な運動による酸素利用能の改善にはほとんど力を入れられていないのが現状だ。薬で酸素輸送能は上がっても、運動しないで酸素利用能が低いままでは、慢性心不全であることは変わらず、健康で長生きは困難になる。
「慢性心不全の人は適切な運動が不可欠。ただし、自己流では効果がない。または、心臓に過剰な負担をかけ命取りになる。必ず、その人に応じた運動の種類、強さや量でやるべき」
そこで必要になるのが運動処方箋だ。心肺運動負荷試験で有酸素運動の上限や最大運動能力など細かくチェック。専門資格である心臓リハビリ指導士らが運動処方箋を見れば、“その人に応じた運動の種類、強さや内容”が一目瞭然だ。
病院の「運動処方外来」を受診すれば出してもらえる。ネックは、同外来の数が少ないこと。
どこを受診すればいいか分からなければ、心臓リハビリテーションの普及などを目的として設立された「NPO法人ジャパンハートクラブ」に問い合わせるのも手だ。