胃がん12万円、肺がん45万円…医療費は保険より貯蓄100万円
貯蓄が乏しい人にとっては、民間の医療保険が重要に思うだろうが、必ずしもそうではないという。経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。
「公的保険制度には、医療の負担を抑える高額療養費制度があります。一般的な収入の方なら、がんの治療に100万円がかかったとしても、高額療養費制度で自己負担額9万円ほどに抑えられるのです。1年に高額療養費の適用を3カ月受けると、4カ月目からはさらに負担が減って、4万4400円が上限。だから、患者調査の医療費はその通りですが、実際の負担額はかなり軽い。保険会社はその高額療養費の説明をせずに保険の必要性をアピールしますが、実際はそれほど必要性はありません。貯蓄がなくて保険会社に保険料を納めるなら、その分を貯蓄に回す方が賢明。老後を見据えて医療費としての必要な貯蓄額は、1人100万円が目安です」
70歳未満の場合、高額療養費は年収で5つに区分される。月収28万~50万円だと、「8万100円+(総医療費―26万7000円)×1%」で計算できる。1カ月に2万円ずつ貯めれば、100万円は4年ほどでクリアする。万が一のためにこれくらい貯めておけば安心だ。