人生の最期をわが家で…みとり経験者が次も自宅を選ぶ理由
患者本人を含めた家族全員の意向を合わせておくことも重要だ。在宅医療がスタートしてから、「俺は聞いていなかった」という家族が出てくると、後にもめ事へ発展する可能性がある。
よくある勘違いが、「在宅医療がスタートすると病院へは戻れない」。
「在宅と病院の緩和ケア外来を使い分けながら、という方法もありますし、いったん痛みが強くなったから入院し、治まったら退院して在宅で、という方法もあります」
長くお世話になっている病院の専門医がいたが、通うのがつらくなった。普段は在宅医療の医者に薬を出してもらい、半年に1回かかりつけ医のところに、としている人もいる。
「在宅医療は生活を支えるためにあります。在宅医、看護師、ケアマネジャーなど医療と介護のさまざまな専門職が関わります。自宅にいろんな人が来ることに最初は抵抗感を示す方もおられますが、徐々に信頼関係が生まれ、その方の人生観や価値観を理解しながら支えてくれる大切な仲間という認識に変化していくでしょう」
どういう最期を迎えたいかは人それぞれ。自宅で過ごしたいと思うなら、ハナから「在宅医療は実現不可能」と決めつけないことだ。