実用化に期待大 繰り返す中耳炎に世界初「粘膜再生治療」

公開日: 更新日:

「これが真珠腫性中耳炎です。放置すると、難聴、めまい、耳だれが生じ、顔面神経麻痺や髄膜炎、脳腫瘍などの原因にもなります」

 一方、癒着性中耳炎は、同じく乳突蜂巣の発育不良で粘膜が癒着した状態。やはり、難聴、めまい、耳だれなどが起こる。これら2つの中耳炎に共通しているのは、手術を行っても再発を繰り返しやすいことだ。

「真珠腫性中耳炎は真珠腫を取り除き、癒着性中耳炎は癒着した粘膜を剥がします。鼓室形成術という手術ですが、乳突蜂巣の異常は変わらないため、手術をしてもまた同じ症状が出てくることがあるのです。特に癒着性中耳炎は、鼓室形成術をしても症状がほぼ改善されないケースがほとんどで、治療困難でした」

 そこで小島医師らが考えたのが、再生医療だ。どちらの中耳炎も乳突蜂巣の粘膜に異常があるのが問題なので、ここに新たな粘膜を移植し、健康な粘膜を再生する。では、どこの粘膜を移植するか?

 理想は「耳」からだが、真珠腫性・癒着性中耳炎がある患者は、そもそも正常な粘膜が少ない。粘膜採取は手術で行うしかなく、患者への負担も大きい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  2. 2

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  3. 3

    「ホラッチョ!」「嘘つき!」とヤジられ言葉に詰まり、警察に通報…立花孝志はミルクティーが手放せず

  4. 4

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

  5. 5

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  1. 6

    フジテレビの資金繰りに黄信号…9割超もの広告スポンサー離脱、CM再開も見通し立たず

  2. 7

    “勝ち組”は中澤、辻、藤本…「モーニング娘。」たちの明暗

  3. 8

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  4. 9

    備蓄米放出でもコメ高騰は抑えられない!「コシヒカリ」応札集中確実…得をするのは自民の“大票田”のみ【上位10品目リスト付き】

  5. 10

    悠仁さま「人々の幸せを願い」成年会見で高まる将来への期待…愛子さまの“国民と苦楽を共に”との比較も