著者のコラム一覧
河野道宏東京医科大学脳神経外科 主任教授

東京医科大学病院脳神経外科主任教授。聴神経腫瘍・小脳橋角部腫瘍・頭蓋底髄膜腫手術のエキスパート。

「術中神経モニタリング」と手術経験100例が医師選びの鍵

公開日: 更新日:

 手術で聴神経腫瘍は取り除けたが、神経を傷つけて顔面神経麻痺(まひ)が残ってしまった……。これでは治療がうまくいったとはいえません。顔面神経麻痺のリスクを、限りなくゼロに近づけるために必須なのが、「術中顔面神経モニタリング」です。

 当科では、顔面機能保存のため、3種類の顔面神経モニタリングを行っています。この中でも「持続顔面神経モニタリング」は最も重要と考えています。持続的に顔面神経に刺激を与えながら、その反応が落ちないかを連続的に見るのです。

 反応が落ちた瞬間に手を止めれば、大事には至らない。顔面神経が障害されてから、「障害されていた」と確認していては遅いのです。もう元に戻すことはできませんから。

 聴神経腫瘍手術の経験数が多い医師なら、この方法の重要性は理解できるはずですが、実際に導入している施設はごくわずかです。手術の頻度が少ないことや、医師と技師、両方の能力を高めなければならないというハードルがあるからでしょうか。良好な手術成績を収めるには、医師の聴神経腫瘍の手術経験数も大きい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ