いい状態と悪い状態を繰り返すレビー小体型認知症の接し方
幻聴を伴うこともある。また、誤認や妄想という症状が生じることもある。自分が実際とはかけ離れた年齢であると思い込んだり、同居している家族を他人だと言い張ったり、事実と異なる認識状態に陥る。
さらに、手足の震え、筋肉のこわばり、体のバランス感覚の欠落などの症状が見られることもある。これはパーキンソン病の症状と似ているため、誤診を招きやすい。
このレビー小体型認知症は、症状が徐々に進んでいくアルツハイマー型認知症とは違い、「いい状態のときと悪い状態のときを繰り返して進行する」という特徴がある。幻視、誤認、妄想の症状は常に生じるわけではなく、断続的に表れる。そのため、周りの家族はいい状態の親を基準に対応してしまいがちになる。その結果、「知らない人がいる」と訴えたり、動作が緩慢になったりする親に対して「誰もいないじゃないか」あるいは「グズグズしないで」などとひどく感情的に対応してしまったりする。これで、親の症状が改善することはない。
こんなときは、まず親の訴えや主張を頭ごなしに否定するのではなく、まず話を聞いてあげることが大切だ。聞いてあげた上で「去年亡くなったね」などと諭すように伝えることだ。