前立腺がんは医師の言いなりで手術を受けたら後悔する

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 前立腺がんは、生検で分かる悪性度の高さや腫瘍マーカーPSAの値から低・中・高リスクに分類されるが、低リスクと言われて手術を受けた患者の25%前後に再発が起こり、高リスクでは50~70%に再発が見られるという報告もあるのだ。

 さらに前立腺は部分切除ができないので、全摘しかない。すると尿漏れや性機能障害(ED)は免れられない。

「“尿漏れは半年か1年でなくなる”“骨盤体操で回復する”と言う医師もいますが、完全な回復はほぼない。生涯、尿漏れが改善せず、うつ状態に陥る人もいます」

 尿漏れやEDという手術の後遺症がある。そればかりか、手術を受けても、低リスクの場合で4人に1人が再発。だから、藤野さんは前立腺がんの手術を勧めない。

 では、どうするか? 低リスクや中リスクA群の場合(囲み参照)、何も治療をしない。そして半年~1年置きに経過観察をし、悪性度を示すグリソンやPSAの数値が上昇してきた時点で最適の治療を行う。

「60~79歳を対象にした海外のデータで、手術でも放射線でも経過観察でも生命予後が変わらないという結果が出ています。そうであればなおさら、手術はすべきではない。私が患者さんに提案するのは、経過観察でグリソンやPSAが上昇した時に、放射線治療を受けること。尿漏れやEDなどもない」

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