「臭覚検査」をきちんと受けるべき理由 鼻と嗅覚と記憶障害
「がん探知犬」の例もあるように人は体調により体臭が変化する。虫歯や歯周病があれば強い口臭が出るし、胃腸が悪ければ酸っぱい匂いがする。
相手の考えや思いを理解するうえでも匂いの喪失は大きなマイナスだ。人は緊張すると皮膚から「ストレス臭」を出すことがわかっている。性的興奮があれば、異性を強く意識する匂いを発する。女性が優しい気持ちになれば癒やしの匂いを発する。嗅覚を失うことは相手を理解するためのコミュニケーションツールを失うことでもあるのだ。
■手間がかかり過ぎて医療機関が消極的
それだけ重要な感覚器にもかかわらず、自分の嗅覚が正常か否かの検査を多くの人が受けていないのはなぜか。
「医療機関が嗅覚検査に消極的だからです。嗅覚検査は手間暇がかかりすぎるからです」
通常、耳鼻咽喉科医院で行われる嗅覚検査は①静脈性嗅覚検査②T&Tオルファクトメーター(基準嗅覚検査)③においスティック(スティック型嗅覚同定能力検査)④オープンエッセンス検査(カード型嗅覚同定能力検査)だ。