「臭覚検査」をきちんと受けるべき理由 鼻と嗅覚と記憶障害
①はアリナミン注射液を静脈に注入して、注入開始からニンニク臭を感じ始めるまでの時間と感じなくなるまでの時間を計るもの。②は5種類の基準臭それぞれに8段階の濃度を設定。におい紙の端に8段階の濃度の液を浸して濃度の薄い方から提示して匂いを感じるまで濃度を濃くしていく方法。③は日本人に馴染みのある12種類の匂いの名前を選択肢から選ぶやり方だ。④は③のカード型である。
「①は現在9割以上の病院・診療所で行われている嗅覚検査です。しかし、感度・特異度とも高くはなく、基準嗅覚検査において正常でも静脈性嗅覚検査で反応なし(異常)と出ることもあります。②は医学会が推奨している検査ですが、普及していません。5種類のうち2種類は非常に不快な臭いで、検査を始めると部屋にこもり、衣類や髪の毛などについて簡単には取れなくなるからです。検査する側も完璧な脱臭設備がないとやりたくないというのが本音でしょう。④は簡便で有効ですが保険適用になっておらず、医療機関としては使いづらい側面があります」
しかし、これらは病院側の都合に過ぎず、嗅覚検査が患者にとって視力検査と同等の必要な検査であることは間違いない。「あさま耳鼻咽喉科医院」ではこの4年間に約100人の嗅覚障害の患者を嗅覚検査で確認。適切な治療で嗅覚を取り戻し、その後、快適な生活を送っている患者さんも多いという。あなたの嗅覚は大丈夫?