新型コロナ<5>発熱から8日目、ようやく熱が下がり始めた

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 血中酸素濃度(※血液中の酸素満タンを100%にすると、正常値は96~99%。これ以下の数値なら体調不全を疑われ、90%以下は呼吸不全の状態)は1%下がっていたが、咳き込む肺のダメージが原因のようである。

 4月3日、コロナ発症から13日目(入院8日目)。今朝の体温も37・1度である。平熱近くになり、苦しかった咳も、少し落ち着いている。

「一昨日に血液の検査がありました。看護師さんの説明によると、95%の確率で回復者に入っていると言われました。でも残り5%の患者さんを思うとそう喜べません」

 4月5日、新型コロナに感染してから2週間。高熱の症状がほぼ消えた。

 順調に回復している渦中に、友人から一本のメールが入る。

「私が感染をさせたかもしれない友人が、40度近い高熱でうなされ始めている」

 自分だけなら我慢をすればいいが、友人の苦しみには胸が痛む。

 ベッドに伏せながら39・7度の高熱と対峙しているとき、正直、頭に死もよぎった。

 病室を巡回してきた年配の医師が、独り言のようにこうつぶやいていた言葉が脳裏に焼き付いている。

「もし私がコロナに感染したら、間違いなく亡くなる数%側に入るでしょう。でも医師として患者に向き合い続ける限り、死を覚悟しなければなりません」 (つづく)

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