髪<上>シャンプーが抜け毛や薄毛の原因になる可能性あり
では、シャンプーが体質的に合わない人は、どのように髪の成長が阻害されるのか。髪が生えている毛穴の中には、「毛根」と皮脂を分泌している「皮脂腺」がある。シャンプーで頭の皮脂をすっかり洗い落としてしまうと、皮脂が不足してくる。そのため皮脂を大量につくって補わなくてはいけないので、皮脂腺が大きく発達してくるのだ。
毛根は毛細血管から栄養をもらい、細胞分裂を繰り返すことで髪が太く長く成長していく。ところが皮脂腺が発達しすぎると、毛に供給されるはずの栄養の多くが皮脂腺に行ってしまい、毛が栄養不足の状態に陥ってしまうのだ。
「また、シャンプーのしすぎは頭皮を薄くします。それは合成界面活性剤が、頭皮のバリアー機能を形成している水溶性の天然保湿因子と油溶性の細胞間脂質のどちらも溶かしてしまうからです。バリアー機能が失われれば、水分がどんどん蒸発し、頭皮は乾燥します。すると、細胞が生まれる基底層での新陳代謝が衰えて、頭皮の厚みがしだいに失われて薄くなっていくのです。バリアー機能が再生するには、健康な皮膚で3~4日かかりますが、ほとんどの人は毎日シャンプーしているでしょう。頭皮は『畑』で、毛は『作物』にあたります。土が減って厚みがなくなれば、作物は十分に根を張ることができません。結果、薄毛を招くのです」