しゃっくりが止まらない…何かの病気のサインでしょうか?
しゃっくりは、胸部と腹部の仕切りである横隔膜がけいれんすることで発症します。特別な理由がないこともありますが一般的にはアルコールを一気飲みしたり、冷たいもの、熱いものを一気に食べたときの刺激によって起こります。通常は数分から長くても1、2日で収まりますが、1週間以上も続くようなら病院にかかりましょう。
重大な病気が隠れているかもしれません。
この重大な病気とは、消化管や肺、気管支、胸膜の病気である可能性もありますが、脳神経外科医として忠告したいのは脳腫瘍の症状としてしゃっくりだけが表れる患者さんがいるということです。これは脳幹にある脳神経を刺激しているためと考えられます。
実際、しゃっくりが初発症状だった2人の脳腫瘍の患者さんを先月手術しました。いずれも長期間しゃっくりが止まらずに精査を行ったところ脳腫瘍が発覚。
1人目は30代男性で、1年半ほどしゃっくりが止まらず、いろんな病院にかかっても原因が分かりませんでした。精神安定剤を処方されて症状を少し抑えていたのですが、次第に仕事上のミスが増えるといった支障が出始めて、頭部のMRI検査で巨大な脳腫瘍が分かったのです。手術後はあれほど苦しんでいたしゃっくりも完全に止まっています。