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尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

近年注目される「髄膜炎菌性尿道炎」症状は淋病にそっくり

公開日: 更新日:

「髄膜炎菌」という病原体をご存じでしょうか。髄膜炎を引き起こす細菌であることは間違いありませんが、髄膜炎は髄膜炎菌だけが原因で起こるわけではありません。髄膜炎は、細菌が原因の「細菌性髄膜炎」と、その他のウイルスなどが原因の「無菌性髄膜炎」に分けられます。

 髄膜炎菌は細菌性髄膜炎の原因菌のひとつですが、日本ではヒブ(インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌による髄膜炎の方が発症数が多いので一般的に知名度が低いのです。ただし、髄膜炎菌による「髄膜炎菌性髄膜炎」の発症率は低い(2018年報告で37例)ものの、致死率は19%と高いので決して油断できません。

 5類感染症の髄膜炎菌性髄膜炎は、13年4月から「侵襲性髄膜炎菌感染症」に名称が変更されました。そして、診断した医師は7日以内に保健所に届け出る必要がありましたが、その基準も15年に改定され、現在は診断後直ちに届け出るように定められています。

 このように怖い病原体ですが、自然環境では生存できず、人間以外の宿主から検出されることはありません。人間が唯一の保菌者となり、主な感染経路は飛沫(ひまつ)感染です。

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