湿布薬は貼りすぎると危ない!吐血して搬送されたケースも
市販の湿布薬に含まれている代表的な成分は「フェルビナク」「ジクロフェナクナトリウム」「インドメタシン」の3つ。いずれも非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される薬剤で、抗炎症、鎮痛、解熱の作用がある。
「解熱鎮痛剤のアスピリン、ロキソプロフェン、イブプロフェンなども同じ非ステロイド性抗炎症薬です。有効成分が胃粘膜の保護作用を低下させてしまうため胃腸障害を起こしやすく、吐き気、消化不良、下痢、消化器の潰瘍や出血といった副作用や腎機能障害が表れるケースもあります。湿布薬を貼り付けると、皮膚から吸収された有効成分の一部は血液中に取り込まれて全身に回りますから、飲み薬を飲んだ時と同じ状態になります。貼る枚数に比例して成分の血中濃度は高くなるので、継続して過剰な量を貼り続けていると、重大な副作用のリスクが高まります」(神崎氏)
湿布薬は飲み薬よりも安全性が高いというイメージがあるためか、通院しているクリニックで大量に処方してもらっている人も少なくない。現在、病院で処方できる湿布薬の枚数は1回70枚までとされているが、市販のものと併用して、腰、背中、肩に大量に貼り続けていた高齢者が、急性胃潰瘍で吐血して緊急搬送されたケースも報告されている。