このまま逝くかもしれない…山折哲雄さん肺炎を振り返る

公開日: 更新日:

 でも調子に乗って仕事で全国を飛び回ったり、お酒もたくさん飲んでいたものですから、それらが重なって85歳のとき軽い脳卒中で倒れてもいるんです。

 原因は持病の不整脈だったので、そのときの治療はカテーテルアブレーションという心臓の手術を受けました。脚の付け根から心臓にカテーテルを通し、心房にある患部を焼き切るという手術でした。全身麻酔を要するので「85歳はギリギリです」と言われました。一般的にはあまりやらない年齢のようでしたが、その手術の名医が「あなたは大丈夫。すぐに講演に行けますよ」と言うのでやってみたら大成功。5時間ほどの手術でしたが、翌々日には退院して、本当に1カ月もたたないうちに仙台に講演に行きました。

「医学ってのはすごいものだな」と思ったと同時に、長年患ってきた消化器系の病気と、心臓や肺といった循環器系の病気の違いを実感しました。消化器系は鈍痛、疼痛、激痛の連続で、「存在の重さ」をしたたかに感じさせられるものでしたが、循環器系では空気が薄くなるというのか、体が軽くなる瞬間がところどころにあって「このまま死ぬのも悪くないな」と、そんなことも考えました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 2

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  5. 5

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    乃木坂46では癒やし系…五百城茉央の魅力は、切れ味と温かさ共存していること

  3. 8

    初日から無傷の6連勝!伯桜鵬の実力を底上げした「宮城野部屋閉鎖」の恩恵

  4. 9

    新潟県十日町市の“限界集落”に移住したドイツ人建築デザイナーが起こした奇跡

  5. 10

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋