新たな薄毛治療 痛みなく頭皮の細胞を若返らせ髪の毛を生やす

公開日: 更新日:

炭酸ガスの圧力で頭皮に直接注入

 薄毛治療は特殊な医療機器(写真)による炭酸ガスの圧力を利用して、幹細胞培養上清液を頭皮に直接注入する。頭皮に均等に注入でき、痛みはなく、患者は「強い力で押されているな」という振動を感じる程度だ。

 幹細胞の薄毛治療では自分の脂肪から培養した幹細胞そのものを頭皮に注入する方法もあるが、台湾の幹細胞培養加工施設で行われた比較試験では、幹細胞培養上清液の方が、より発毛・育毛改善効果が認められた。

「幹細胞の培養には数カ月間かかり、最低でも100万円以上かかります。幹細胞培養上清液は単回なら当院では1回11万円、発毛周期に合わせて計5回推奨で、決して安いとは言えませんが、幹細胞の治療よりは費用を抑えられます」

 ただし、幹細胞培養上清液は、ものによって成長因子やサイトカインなどの量が異なる。分析内容や安全性を確認し、高品質な幹細胞培養上清液を選ぶ必要がある。

 また、幹細胞培養上清液に含まれる成長因子はタンパク質のため新鮮な状態で使用することが大前提。苅部院長は専用の特殊な冷凍庫を用いて冷凍し、治療のたびに解凍しているそうだが、取り扱いについても、可能であればチェックした方が安心だ。

 効果の持続期間は?

「治療後、長く経過した患者さんがまだいないため、どれくらい効果が持続するのかは未知数です。ただ、頭皮の細胞が若返り、発毛周期が安定すると、髪の毛は5~6年伸び続ける。治療後5~6年はいい状態をキープできるのではないかと考えています」

 薄毛治療は、ミノキシジルやフィナステリドといった薬の内服治療や、塗り薬を使う方法がよく知られている。

「発毛率については、まったく同じ人でテストしているわけではないので医学的な見地ではお答えはできません。しかし私の実感としては、幹細胞培養上清液での治療は、ほかの薄毛治療と比べてかなり優位にあると思います。たとえば、内服薬治療では内臓に負担がかかる可能性がありますが、注入の場合、それがありません」

 とはいえ、内服治療では数千円から受けられるところも……。いずれにしろ、髪の毛が気になる人にとっては選択肢が増えるのはいいことだ。長年の悩みと手を切れるかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  2. 2

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

  3. 3

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  4. 4

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    だから高市早苗は嫌われる…石破自民に「減税しないのはアホ」と皮肉批判で“後ろから撃つ女”の本領発揮

  2. 7

    中居正広氏vsフジテレビは法廷闘争で当事者が対峙の可能性も…紀藤正樹弁護士に聞いた

  3. 8

    ユニクロ女子陸上競技部の要職に就任 青学大・原晋監督が日刊ゲンダイに語った「野望」

  4. 9

    吉岡里帆&小芝風花の電撃移籍で様変わりした芸能プロ事情…若手女優を引きつける“お金”以外の魅力

  5. 10

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及