重症化の犯人「サイトカインストーム」の仕組みと発生しやすい人

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■腸内細菌叢や生活の乱れとの関係

 高齢者の場合は、これにウイルス感染や腫瘍の排除に働く、ある種のT細胞の活性化が炎症性サイトカインの産生に拍車をかけるといわれている。このT細胞は通常の風邪コロナウイルスに対しても反応するため、その記憶が多く蓄積されている高齢者の場合、より大量のサイトカインが産生されるからだ。

 また、糖尿病などの持病のある人や喫煙や偏食の人などは、もともと炎症が誘導されやすい状態にあると考えられる。

 香港の研究チームが軽症から重症までの感染者100人と、感染していない78人から採取した便を分析したところ、腸内の微生物と量に明確な違いがあることを確認。重症者は軽症者に比べて腸内細菌叢のバランスがより大きく崩れており、いわゆる善玉菌が少ないほど血液中に炎症性サイトカインの量が多かったとの報告もある。

 T細胞の中には、腸の粘膜に多数存在し、感染早期の防御機構を担っているものがあるから、食の乱れもサイトカインストームに大いに関係している可能性がある。重症化を避けるには、まず生活を改めることだ。

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