ジャングルでの孤独な潜伏生活を支えた素朴な宗教心とは
人は、信仰がなくとも、いざとなれば「神様! 仏様!」と叫ぶのではないでしょうか。自分のこと、肉親のこと、知らない人のことでも、命に関わりそうな出来事に遭遇すると、そう叫びます。われわれは、それがあって生きていけるのではないか。そのようにも思うのです。たとえ特別な信仰心を持っていたとしても、横井さんは戦争が終わったことを知らずに過ごしたジャングルで、何回も「お母さん」と、あるいは肉親の名を、そして「神様! 仏様!」と叫ぶことがあったのではないかと思いました。
「宗教心」のことで、そんな勝手な想像をしました。横井さん、ごめんなさい。