認知症予防の可能性が報告された「バイアグラ」使ってはいけない人
もちろん、今後計画されている臨床試験の結果をしっかり精査する必要がありますが、バイアグラが認知症予防の薬として使われる日が来るかもしれません。
バイアグラは、もともとは狭心症の治療薬として研究・開発されていた薬です。ただ、臨床試験では狭心症に対してそれほど効果が認められず、中止となりました。しかし、その副次効果としてペニスに流れ込む血流を増やす効果が認められたため、ED治療薬として応用された経緯があります。
こうしたことからもわかるように、バイアグラ=シルデナフィルには血流を改善する作用があるため、心不全の原因にもなる肺動脈性肺高血圧症の治療薬(商品名:レバチオ)としても使われています。また、スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究では、慢性の虚血性心疾患がある男性がバイアグラを服用していると、死亡や心筋梗塞のリスクが低下する可能性が報告されています。バイアグラといえばEDというイメージはすでに変わりつつあるといえるでしょう。
■ニトログリセリンを使っている人は厳禁
とはいえ、心臓疾患がある人の一部では、バイアグラの服用は危険です。狭心症の発作に対して多用されている「ニトログリセリン(硝酸薬)」を使っている場合、併用すると命に関わる可能性があるのです。