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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

血液型による胃がんリスクの差はどれくらいあるのか

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 つまり、リスクに差がない場合と比べて、A型とAB型が1割多く、B型とO型が1割少なくなるのです。

 この差が大きいと見るかどうかは、微妙なところですが、普通の人が日常生活の中でこの違いを実感することはまずありません。大半の医者も、ほとんど意識することはないでしょう。消化器内科のクリニックでも、胃がんが見つかるのは年間に数件から、せいぜい10件程度です。そのくらいの人数では、血液型による違いは分かりません。

 規模が大きな人間ドックでは、年間に数千件の内視鏡検査を行います。しかも受診者はがん年齢の人が多いので、100人以上の新規患者が見つかります。もちろん統計的なバラつきはありますが、やはり血液型による違いは、ある程度実感できるかもしれません。さらに、がん専門病院では毎年1000人以上のがん患者を治療しています。そのくらいになれば、血液型による違いがはっきりするはずです。

 ただし日本人は、欧米と比べてピロリ菌の感染が多い(それだけ胃がんのリスクが高い)ため、血液型による違いも欧米と異なっているのではないか、ともいわれています。しかし日本における血液型とがんの研究は、昭和30年代を最後に絶えて久しくなっています。日本人のデータを使ったリスク解析を、そろそろしっかりとやってもらいたいところです。

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