東洋医学の独特の診察法「四診」とはどのようなものなのか
東洋医学では、気血水、臓腑、経絡がバランス良く働いている状態を健康と考えます。バランスの失調は、「実」「虚」として表現されます。「実」には、不要なものの解消や機能高進を改善させる「瀉」、「虚」には文字通り補う「補」という治療方針が取られます。
東洋医学における治療とは、生体の不均衡を見つけ出し整える行為といえます。
不均衡を見いだすために、望診(見る)・聞診(聞く・嗅ぐ)・問診・切診(触れる)を行い、これら診察はまとめて四診と呼ばれます。
望診では、顔や皮膚の色つや、形態の変化、たたずまいなどを見ます。舌の状態を見る舌診も望診のひとつです。舌診では、色・形や舌苔(舌表面に生じる苔状のもの)などを観察します。
正常な舌は淡紅色(薄いピンク色)。赤みが弱ければ血の不足や冷えを表し、赤みが強ければ熱を表し、暗赤色や紫色は血の滞りを表します。
むくんで大きい舌は水滞(水の滞り)や冷えを表します。舌の辺縁に歯形があるものは水滞や冷え、気の不足を表します。舌がひび割れているものは血や水の不足と関係があります。
正常な舌苔は白色で、舌表面に薄く乗っています。舌苔の量が多かったり、ネットリとした性状であれば水滞を表します。黄色であれば熱の存在が考えられます。