東洋医学の独特の診察法「四診」とはどのようなものなのか
体に触れて行う切診には経絡やツボの診察のほか、脈診や腹診もあります。
動脈拍動には体の状態がよく表れ、これを診察に用いるのが脈診です。例えば、冷えている・機能が低下している部位の脈動は弱くなり、熱がある・機能が高進している部位の脈動は強くなります。このような単純な観察から始まり、東洋医学的人体観とともに脈診は深化しました。現在は主に手首の動脈拍動を用いて全身の状態を診察しています。
腹部を診察する腹診は、全身状態や虚実を判定したり、処方や施術部位決定の指針とします。腹診は特に日本で重視され活用されています。
「目で見ることができない体の働きをいかに体表から捉えるか」ということは、治療法と並ぶ最重要事項です。東洋医学の長い歴史の中で、医家たちは自らの五感を研ぎ澄まして診察し、その経験を積み重ねてきました。現代では、このような東洋医学の診察法を駆使し、かつ西洋医学の知識もあわせ、病を診察し治療を行っているのです。