寒い冬の朝の頭痛には想像以上の血圧上昇の恐れあり…頭痛治療専門医が警鐘
夜と朝の収縮期血圧(上の血圧)の差が55以上あるとモーニングサージに該当する。日本人約2万1000人を対象にした研究では、日中は正常血圧にもかかわらず朝だけ血圧が高い人は、脳卒中や心筋梗塞のリスクが2.47倍高いと報告。日中血圧が高い人の脳卒中・心筋梗塞リスクが1.46倍なので、単純比較ではあるものの「朝だけ高血圧」の方が命に関わる病気のリスクが高いことになる。
「冬でもともとの血圧が高めのところに、モーニングサージが加わると、脳卒中や心筋梗塞のリスクがより高くなる。日頃から血圧測定をしている人でなければ、血圧の変動に気付きづらい」
「自分の血圧は正常」と思っている人なら、なおさらだ。
■降圧剤が頭痛に効くケースも
そこで気をつけたいのが「頭痛」だ。この症状があったら、急激な血圧上昇が疑われる。
「血圧が急に高くなると、脳の血圧を調整する機能がうまく働かず、脳に送られる血液が増えすぎて脳全体がむくみがちになります。脳硬膜や橋静脈周囲に分布しているセンサーの三叉神経が刺激され、頭痛や頭重感が誘発されるのです」