認知症患者が1人で家にいるときに不安を感じさせない方法は?
留守番してもらっているときに“お手伝い”をお願いするのも有効です。ただし、火を使うものは火事の危険もあるので避けてください。家族が帰宅するまでただ時間が過ぎるのを待っているだけでは不安は募るばかりです。本人の負担にならない範囲で、郵便物やチラシの仕分けをお願いすると、それに没頭して気を紛らわせられ不安を感じにくくなります。また、リビングの椅子に座って行うようなお手伝いであれば、家族が出かけるときに貼ったメモも目に入りやすく、「今は一時的に出かけている」と理解できます。さらに、家族からお願いされると、患者さんは自分は必要とされているんだと自尊心を高められ、幸福感を感じやすくなります。
患者さんだけでなく家族側の心配を取り除くためにも、「見守りカメラ」の設置も効果的です。認知症になっても身体機能は衰えません。患者さんが家族を捜すために家を出てしまうと、家族の負担は増えてしまいます。最近の見守りカメラは会話機能が搭載されているものが多いです。カメラで定期的に患者さんの様子を確認し、不安を感じてパニックになっていた時でもカメラを通して直接呼びかけを行えるので、徘徊(はいかい)を防げます。