最期が近づいているなら…治療によるつらさからは解放してあげたい
「痰切りの薬は飲み薬しかないので、お薬が飲みにくくなってきている今の状態でしたら、座薬とかがいいかなと」(私)
「咳(せき)と痰で力が落ちちゃうし」(妻)
「そうですね。絶対に必要なもの以外はやめてしまいましょう。何かあった時にすぐ対応してくれる24時間体制の看護師さんの方が安心かと思うのですが、どうされますか?」(私)
「先生のよく知ってるところでお願いします」(妻)
最期の時をご家族や隣人が見守る「看取(みと)り」。しかし私は、このご夫婦との関わりもそうですが、看取りとはその瞬間ではなく、患者さんと過ごしてきた期間やその過程なんだと、ここ数年考えるようになりました。