「運動」が乳がん再発リスクを下げる…1週間トータル1時間で25%低下
持久力が低下すると、疲れやすく、歩いたり動いたりすることがおっくうになる。次第に活動量が減り、筋肉量減少、体重増加につながる。加えて、活動量低下はさらなる持久力低下を招くので、より活動量が減る(=筋肉量減少&体重増加)という悪循環に陥ってしまう。
「しかし、がん治療で低下した筋肉量、持久力は、日常的かつ継続的な運動で、必ずアップすることも最新論文で報告されています」
運動は、ホルモン療法の副作用で多く見られる関節痛を緩和させる効果も実証されている。乳がん治療で不安定になりがちなメンタルヘルスも前向きにする。
■スクワットと腹筋運動がお勧め
奥松さんは、こんな経験をしている。フランスにあるWHO(世界保健機関)の研究機関に1カ月間留学したときのこと。がん経験者に特化したトレーニングジムを見学したところ、高い強度でマシンを使っている利用者がたくさんいた。こんなに高強度で大丈夫なのかと問うと、「論文で(がん経験者において)強度が高いトレーニングで筋肉を増やすことが大事というデータがある。論文通りに行わないとね」との返答だった。これ以降、奥松さんも乳がん経験者に対し、単に体を動かすだけでなく、筋肉量増加を意識したトレーニングを指導しているという。