著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

「かすみ目」の陰に隠れている3つの重大病…放置すると失明リスク

公開日: 更新日:

 中高年の患者さんの中には、たとえ目がかすんでも「年齢的に白内障だろう。そのうち手術するから、いまは放っておいてもいいのでは」と思い込んでしまう人も。

 たしかに白内障が原因での目のかすみはあります。が、思い込んで放置してしまう前に眼科を受診してみてください。なぜなら、かすみ目にはときに大きな目の病気が隠れていることもあるからです。

 かすみ目が現れる大きな目の病気は3つ。まず緑内障があります。日本では失明原因のトップで、早期発見が何より大切な目の病気です。早く治療を始めることで、生涯にわたって生活に必要な視力を維持することができます。

 次に糖尿病性網膜症という目の病気で、糖尿病の状態が長期間続くことで引き起こされる合併症のひとつです。糖尿病性網膜症の場合は、かすみ目の症状のひとつである「飛蚊症」が現れる。目の前の虫や糸くずのようなものの数が突然多くなったら、糖尿病性網膜症が疑われますのですぐに眼科へ。

 そして、加齢黄斑変性も目がかすむ症状が出ます。目の網膜の黄斑と呼ばれる中心部に障害が生じることで、視野の中央部がゆがんだり、かすんだりする病気。加齢が原因で、50歳以上の方に多い病気です。進行すると、視野の中央部が暗くなったり、見えなくなることがあるので、早い発見が重要となります。

 決して脅かすわけではありませんが、かすみ目には重大病が隠れている可能性もあります。「かすみ目が続く」「以前のかすみ方と変わってきた」などの自覚があるならば、素人判断や放置は禁物です。

【連載】一生見える目をつくる

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