大流行の「ガチ中華」本場のおいしさとマナー 中国全土を食べ歩いたジャーナリストが指南
5つの命!蘭州拉麺は朝食として細麺を
日本のラーメン店にはインバウンドが大挙して訪れ、ラーメンは今や日本のB級グルメのような感じさえするが、もとをたどれば中国だ。
「ラーメンを漢字で書くと拉麺で、『拉』は両手で引っ張って伸ばす行為のことで、引っ張る作業がないと拉麺とはいえません。中国で現在、最も有名な拉麺は、甘粛省の省都・蘭州をルーツとする蘭州拉麺です。蘭州人は細麺を好み、手で伸ばした麺をもたもたしながら食べていると、麺が固まってきてしまいます。拉麺はそれくらい新鮮な料理で、朝食にいただくのです」
日本でも蘭州牛肉麺の看板を目にすることが増えた。牛肉を添えるのが蘭州拉麺の定番で、本場では5つの命が宿るといわれるという。
一清=牛骨のスープが清く澄んでいる。
二白=新鮮な薄切り煮込み大根が添えてある。
三赤=香り豊かな赤いラー油。
四緑=葉ニンニクとパクチーの彩り。
五香=麺が香りを漂わせる。
「蘭州人の師傅(料理人)に聞いたら、細麺は太麺より仕上げるのに時間がかかるといいます。日本の納得する店でいただいたときも10分ほど待って、蘭州での思い出がよみがえる5つの命を宿した一杯に出合えました。もっちり、しっとりを味わいつつも、麺が固まらないようにサッと食べて帰るのが、ガチ中華の拉麺です」
薩斐蘭州牛肉麺(東京都豊島区池袋2-13-8)では、麺の太さは2ミリから40ミリまで6種類そろえているという。
(料理写真はすべて近藤氏撮影)
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ガチ中華の世界は、もっともっと奥深い。翌朝のトイレ問題も含めて、ガチ中華を食べ歩いてはどうか。